若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来

城繁幸

良作
過去から今にかけての就職をとりまく意識・意義・立場が非常にコンパクトにまとめられています。
まあ、「傾向と対策」的に言うなら「傾向」はずばり記載してあるけど、「対策」はあまりないのはちょっと残念。
あと、理論的にも整合性があって読んでて納得するとともに、某フロンターレスポンサーの人事部をやってただけあって、生臭い話がふんだんに盛り込まれていて、現実との距離感も見失っていない点もナイス。
プラスサム社会において有効に機能していた年功序列社会はゼロサム・マイナスサムになった社会においては破綻せざるをえず、それでも、年功序列社会(あるいはそこの既得権益)を守ろうとするために若年層や一部の中高年にしわ寄せが来ているという話。
作中でも引き合いに出してるとおり、年金と同じ構造を会社社会が抱えており、その結果、年金受給者(会社において収入・ポストがある人)が年金(収入・仕事における権限)を受給するために若年層がその負担をしている(低収入で働いている、単なる「作業」的な仕事しかできない)が、将来、当の若年層が年齢を経た後には、そのリターン(収入が上がる・相応のポストにつく)を受け取ることに人間は一部に限られる。
成果主義も結局年功序列の変形に過ぎない点と、成果と結果与えられるポストは必ずしもマッチしない点はなるほどと思わせる。
うちの会社に当てはめてみると、なかなか興味深いな〜